がんばる?がんばらない?~意識の仕組み~
脳と潜在意識の仕組みから
さて、前回の記事の続き。意識の仕組みを知ることによって、がんばるが苦痛にならず、むしろ「楽しい!」となるにはどうしたらいいのでしょうか?
すでにご存知の人もいると思いますが、脳も潜在意識も、否定形と主語を聞き分けない、という特徴があります。
「あなたブスね!」と言えば、脳内と潜在意識には自分がブスだとインプットされ、「廊下を走るな!」と言えば、頭の中には廊下を走っているイメージが湧いてしまう。じゃあ、「がんばらない」と言えば・・・?
そう、「がんばること」が無意識レベルにインプットされます。
あなたの感情はどこに向いている?
「がんばる」「がんばらない」の言葉に対して、あなたがどこにフォーカスをあてているかが大切です。うまくいかないのは、あなたが本当に意識を向けているところが違うから。
ポイントとなるのは、あなたの感情です。
ほとんどの人が「がんばる」を意識したときに、その反対側の心理である「がんばっていない」がインプットされていることに気づいていません。
彼氏が欲しい=彼氏がいないから・・・の原理と同じ。
そうなってしまうと、「がんばっていない自分」にフォーカスが生まれ、そして不快感になっていく。不快感になった途端、もうそれ以降はうまくいかなくなります。
簡単に言えば、類友の法則と同じく、同じものが自分に寄ってきます。「がんばること」でも「楽しい!」と思えば、楽しい事象が。「不快だ」と思えば、不快な事象が起こる。同じ感情のものが起こるんだよ、ということです。
つまり感情は、自分の意識がどこに向いているかのバロメーターです。常に「今、自分はどんな感情なのか?」を見つめること。
自分のイメージや思いを巡らした時に、どんな感情が湧いてくるのか?に意識を向けるトレーニングをしましょう。
「そのままでいいんだよ」の危険性
そして、ここから重要なこと。「がんばらない」という言葉が好きな人や飛びつく人は、「がんばりたくない」「そのままでいいんだよ」の言葉が好きだから。
そして、「がんばらない、がんばらない」と思っていると、その言葉は、どこかで「がんばらないとダメ」と、逆に息苦しさを感じてしまうのです。苦しいからもっと前述した言葉が欲しくなってしまいます。
では、本当に何もせずそのままダラダラしていると・・・当然結果は出ないわけです。そして文句を言われたり非難されたり、がんばらないことに苦しさを感じます。
その苦しさを解消するために、「がんばらないでいいんだよ」「そのままでいいんだよ」と言ってくれる人の言葉を聞き、安心を得る、そして離れられなくなる。こんな仕組みなのです。
心理学やら脳科学やら潜在意識を学ぶと、そういう仕組みも理解でき、戦略もありありと見えますから、こんな記事を書くのは余計なお世話かもしれませんが。
がんばったと感じずに、行動するのが楽しい!掃除が楽しい!目標達成が楽しい!ダイエットもエクササイズも、快楽物質のお陰で、がんばるって苦行じゃなかったのね!と、自らが思えて、サクサク行動できること。
ここに到達したら最強だと思いませんか?
主体的に生きる喜びが「コーチング」
コーチングは、主体的に生きることを倫理規定の中にありますから、クライアントを依存させません。クライアントの依存がわかると、コーチから、セッションをやめるケースもあります。なぜならそれは、人をダメにするコーチングだから。
厳しく感じるかもしれませんが、「愛」があるからこそ自立を促すのです。
コーチでもカウンセラーでも、承認するのにスキルはいりません。「そのままで、がんばらなくていいんだよ」と、相手を気持ちよくさせるのは誰でもできます。
しかし、コーチングスキルは、結果と行動を楽しく、そしてその人の限界を取り除いてあげて、パフォーマンスを上げることを目的とします。
これまでも何度か行動系の記事を書いた時に、「何もしないでがんばらないでダラダラされてもらえて幸せなのに、この記事ですごく辛い気持ちになった」とコメントをいただいたことがありました。
幸せなはずなのに、なぜ辛くなったのか?それはダラダラすることに罪悪感と、良心の痛みを感じているのです。
それがなかったら、スルーすればいいことです。「がんばらないで幸せ」と、自己承認できていれば、周りの言葉はどうでもいいはずですから。
がんばるもがんばらないも「何のために?」
最後に、私はダラダラするために時間を使うことや、ダラダラするために数日費やすこともあります。しかしそれは、その時間で次なるアイディアを生むため。
何となくダラダラするのと、自分で決めてゆっくり過ごすのとでは、意味合いが大きく違い、敢えて「がんばらない」と決めた時間は、思考と心と体をゆるめるためのハイクオリティな時間なのです。
ただ単に、がんばる・がんばらないのではなく、「今何のためにそうするのか?」と自分の感情に向き合って、どちらも実りあるものにしてゆきたいですね。