親しき仲にも礼儀あり~一番大切な人を大切にする~

親しき仲にも礼儀あり~一番大切な人を大切にする~

親しき仲だからこそ省みること

「親しき仲にも礼儀あり」

私にとってこの言葉はとても大切で、そして、この言葉を家族でもすごく親しい間柄でも忘れないように常に思い起こす言葉のひとつです。

なぜなら人は往々にして親しい人を一番ないがしろにしてしまう傾向があります。私も然り、だから何度も思い出さないといけない言葉だと私は思っています。

親しい人だからゆえ、その関係に慣れてしまったり、慣れであぐらをかいてしまったり、その人を大切にすることも、愛情表現することも、その人の喜ぶことも、後回しにしたり、全くしなくなったり・・・などがあるかもしれません。

長年の夫婦となると、歯に衣着せぬ言い方になってしまったり、身体も老いてきてどんどん、動かなくなっていき、ついつい言い放つ言葉が乱暴になったり。

長い付き合いの友人や幼なじみとかになると、余計な一言や、わがままを言ってしまったり・・・親しい仲になると、礼儀が欠けていることすらわからなくなる危険性があります。これが一番危険です。日々の繰り返しは無意識の部類です。

日々の繰り返しとは、いつも話をしているから、無意識にひどいことやわがままを言っているなどは、自分ではわかりづらく、自分が理不尽な事を言っている事も、わがままを言ってしまっている事も気付けないのです。

もしかしたら、相手が折れてくれているのかもしれないですし、逆に自分がいつも折れている側であることに気付いたら・・・まずは、自分はそういう礼儀を欠いたことを発言しないように、反面教師にしたり、自分の気持ちを上手に伝えてみたり。

近い間柄で安心するのでなく、自らの言動を顧みたり、自分を客観的にみつめる作業も時には必要です。

時に自分を疑うことも大切

相手が、もし自分に指摘など言ってくれたらその時は、腹が立ってくるかもしれないですが、それはそれで本当にありがたいこと。なぜなら他人は、落ち度をなかなか言ってくれません。

相手の落ち度、礼儀を欠いている事、わがままであることなんて誰も言ってはくれず、人はただ、そっと離れるだけです。しかし、家族だからこそ言ってくれる。それに反発せず、時には自分を顧みることは大事です。

そして、近しい間柄というのは、他人のように急に離れたりはできないので、血がつながっていようが、夫婦であろうが、そういう小さな事でひずみが起きたりします。

これは私のことですが、自己肯定ももちろん必要。でも時に、自分を厳しい目でチェックすることも必要だと思っていて、いつも自分を疑っています。「大丈夫か?裸の王様になってはいないか?」と。

謙虚に歩みたいとは思っていても、暴れる感情は、誰にでも時にはあることでしょう。多くの日本人は平和主義ではあるので、折れることのほうが多いかもしれませんが、誰だって折れ続けたくないですから、そういう人からは離れていくのです。

どっちにしても我慢ばかりしないで

人としてどんな時に、礼儀を欠くことがないようにしたいでしょうか?当たり前のことですが書いてみます。

・お金を借りたらすぐに返すこと
・悪いことをしたと思ったら謝ること(相手が我が子であっても)
・自分の意志ばかりを通そうとしないこと
・相手の時間を奪いすぎないこと
・言葉遣いに愛がなくなること
・お互いの存在を当たり前に思わないこと

「ありのまま」という言葉を走らせ、自分の欲望のままだけで発言をしていますと、誰かが傷つきます。

もちろん、極論を言えば「傷つく」という選択をした人の責任ではあるのですが、誰もが相手を傷つけたいとは思わないでしょうし、もし、自分の言動で相手を傷つけているなんてことがわかったら、すごく嫌ですよね。

親しい仲にこそ、愛と思いやりと親切な気持ちを持ちを。その関係を大切にしていきたいものですね。縁あって出会った人たちなのですから。

とはいえ人間関係において、自分らしさが奪われていたり、いつも不快な思いをしていたら、その気持ちを相手に伝えましょう。冷静に。それでも相手が変わらない場合は、離れたらいいのです。

自分の気持ちを伝えることで、相手はあなたを傷つけようとして言っているわけではない、ということを知ることができたり、もしかしたら、その関係性がお互いのために良いものではないことを知る事になるかもしれません。

どっちにしても、我慢ばかりしていないで。相手に自分の胸の内を打ち明ける事も大切なのです。

何気ない言葉で人を傷つけないために

この記事を書いていて、思い出した話があります。まさに礼儀を欠いたひどいことを、生前の母に対して言ってしまいました。

「なんでこんなに台所汚いのよ」すると母は、力なく「体が思うように動かなくてね」と・・・胸がズキッとしました。母はリウマチでした。実際、母はこういう言葉で傷つくような人ではないですが、思うように身体が動かないことを自分に置き換えて考えるとね・・・

それに当時私は、リウマチである母のために台所掃除をしに行ったのに。このように、何気ない言葉が人を傷つけていることもあるのだと、猛烈に反省しました。

毎日の日常生活で染み込んでしまった身近な者への礼儀を欠いた態度と言葉。今後より一層、身を引き締めていこうと改めて思ったのでした。

この記事を書いた人

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