「怒り」は表現した方がいいの?
その日の怒り、その日のうちに
どれだけ穏やかな人であっても、「怒り」という感情は経験があるかと思います。「怒り」はとてもパワーがあり、目標達成などの場合、それをエネルギーの源にしますと、スタートダッシュに使うパワーとしてはかなりの勢いとなります。でもスタートダッシュだけがいいでしょう。
それくらい、怒りというのは強い感情です。さらに言えば「怒り」の裏側には、たいていの場合、その人が大切にしている信念や大切にしている価値観がありますので、怒りという感情は、本心を知るのに非常に大切な感情とも言えます。
そして、怒りをいつもスルーしたり、蓋したり、見ないふりをしてしまうと、自分の本心が分からなくなってしまいます。または我慢してきたものが、何かのきっかけで大きく爆発してしまう危険性も。ですから、怒りを感じた時には、昇華させる作業を、行っていただきたいと思います。「その日の怒りは、その日のうちに対処する」これが大切。
怒りは蓋をせず、すぐに表現する、表す、などのようなことを吹聴している方もいらっしゃいます。一方では、「怒りをコントロールする」や「怒りのマネージメント」などのようなことを勧めているものもあります。さて、どちらがいいのでしょうか?次の章では、実際の「怒り」という感情が身体的に及ぼす危険性についてお伝えします。
「怒り」が及ぼすもの
怒りによって、身体に受ける害悪は医学でも証明されています。高血圧や心疾患への悪影響、さらに免疫系への悪影響など、ネットで調べるとその種の学術記事はたくさんあります。だから怒らない方がいいのか?と言ったら、そうでもなく、それはこの記事の最初に書いた通り、感情に蓋をすることによっての危険性もあるわけです。
解消する方法を知らずに、感情に蓋をしてはよろしくありませんし、「怒りを感じたらそのまま表現する」の勧め通り、そのまま爆発的な怒りを表現すると、とんでもない結果になることもあります。
子供に感情のままに怒ってしまい、はたまた感情に任せて手を上げて、子供も傷つき、そして後で感情的になった自分を責め、落ち込んでしまうお母さんたちもいます。(時にあると思いますので、自分を責めないでくださいね)
怒ったら、体に悪影響。かといって怒らないようにしたら今度はメンタルに悪影響・・・さてどうしたものか。ご心配なく。怒りに蓋をせず、または感情をそのまま発散させなくても、解消する方法はあります。
怒りという感情に振り回されないように、かといって我慢もせず、ちゃんとアウトプットでき、怒りとしっかり上手に付き合う、そんな風にできたらいいですよね。怒りがわき上がった時、どのように対処したらいいのか?4ステップをお伝えします。
怒りと上手に向き合う4ステップ
ステップは以下です。
①まず大きく深呼吸してクールダウン、ワンクッションおく(習慣化できます)
②その怒りの感情を、第三者(カウンセラー・コーチ・心許す友人など)へ冷静に伝える
③②がいない場合、その怒りの感情を書きなぐる(紙に書くことがオススメ、さらに書く場合は、誰にも迷惑をかけませんので、暴言でも大丈夫)
④吐き出したのち、「私はなぜこの件において怒りを感じたのだろうか?」と自問する。それにより、自分の大切にしている価値観を引き出す
これで、怒りの感情と上手に付き合うことができます。最初のクールダウン・ワンクッションの習慣化がつくと、だいぶ、落ち着きます。ここで、感情というのは自分で選べるということを理解してください。
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感情は自分で選んでいることを理解する
もちろん、怒りを選択することもできます。とはいえ、選択する、という時点で感情的ではなく、客観的、かつ冷静になっています。冷静であれば、怒りの気持ちを丁寧に伝えることもできます。小さな怒りに対して、いちいちを荒立てるのが面倒と思うなら、スルーする、という選択をすることもできます。
または、思いっきり体を動かして、汗を流したり、家に戻って一人の時に、目の前にその人がいることをイメージし、思いっきり怒りの感情を、そのイメージ像にぶつけてみる、などによっても、怒りは落ち着いてきます。
つまり、怒りの感情に自分がコントロールされるのではなく、自分の感情の主人は自分であることを理解し、コントロールやマネジメント、自由自在に操ることができるのです。
ワタナベ薫の解消方法
ちなみに最近の私の傾向は、冷静になった上で「どうでも(どう在っても)いい」です。もちろん、怒りを感じることもありますが、「さて、どっちを選択しようかな?」と考えているうちに、クールダウンする習慣が付きました。その上で、あえて怒りを表現することを選ぶ場合もあります。
私の場合、過去の経験から、突発的な怒りや感情的な怒りを発散した場合は、その瞬間のみスッキリしますが、逆に、メンタルが落ち込んでしまう、という傾向があるので、平和的に解消しています。
心許せる人に話す、が私にとっての一番の昇華方法なので、すぐに打ち明けます。助言なしに寄り添って聞いてくれる友人がいるということは、本当に感謝ですね。