他人の幸せを心から喜べない時
内なるサインを見逃さないで
本当に心から、他の人の幸せを喜べる時というのは、自分自身が満たされて、幸福感に満たされた状態の時です。あなた自身が疲弊しているのなら、その苦しさを目にしない、関わらない、そんな時期があっても全く問題ありません。
なぜなら、他の人の幸せを喜べない時というのは、「自分を労わりなさい。愛しなさい。無理しちゃいけないよ。心が苦しいよ」と、内なるところからのサインなのです。
職業柄「妬みとかを感じている自分が嫌」という相談をされたことはたくさんあります。ごくごく普通の感情ですから、どうか自分を責めないで欲しいと思います。
妊娠したくてもできない時、仲がよかった人が妊娠したら、涙も出るでしょうし、妬む気持ちが出ても当たり前。そんな汚い気持ちを持つ自分なんて「最悪だ」なんて否定しないでください。
結婚したくてしたくて婚活を頑張っている時に、友達たちが彼氏を見つけて、周りの独身者がどんどん減っていったら、心がチクっとすることだってあるでしょう。
自分の夫が暴君的で、なかなか経済的にもよくならず、夫婦としての幸せを感じていない時に、友達夫婦がとても仲むつまじくいるところを見て、うらやましくなってしまう・・・誰にだってあります。
自分のことで精一杯で本当に辛い時は、人の祝福なんてなかなかできるものじゃありません。
白と黒があるから人間なの
もう何年も前のことですが、大手の女性向けサイトに、なかなか赤ちゃんを授かれない女性が「友達や親戚の子たちが次々妊娠していき、それに対して心から祝福できない」という正直な気持ちが書き綴られていました。
この記事、正確な内容までは覚えていませんが、中には同情する声もありましたし、同じ気持ちになった事がある、という投稿もありましたが、共感する人は少なかった事を記憶しています。大半の方はその人を戒める言葉たち。叩く人が多いのは、集団心理なのでしょう。
しかし、皆様、そんなに美しい心ばかり持っているのでしょうか?美しいものは美しくないものと合わせて一つです。自分にはブラックなところがない、とおっしゃる方は、ないのではなく、ないと思い込んでいるブラックに飲み込まれているのが大半。
つまり、ブラックな感情とは誰にでもあるもの。この世は白黒があって一つ。陰と陽があって一つ。闇と光があって一つ。表裏一体なのです。実を言うと、表裏ふたつにボーダーラインさえもないと私は思っています。
みんなねたみも、憎しみも、怒りも持っていますし、ないと見せかけている人は逆に、感情のバランスの悪さを知らないだけなのです。
「喜べない・・・」それもOK
「人の幸せを喜べない」この感情の時、自分は心が狭いとか、心から喜べないで自分は小さいとか、自分を自傷するジャッジが入っていませんか?
私も離婚して、実家にも戻れず、お金も底つき、たった一人で暮らしていた時に、友人たちが彼氏できて幸せだとか、結婚してラブラブで最高とか、色んな他人の幸せを聞いてきました。
ありがたいことに、嫉妬する暇もないくらい仕事が忙しくて、その感情に苦しむことはありませんでしたが、当然、寂しい私は心から祝福してあげることなどできません。そして、自分を立て直すことで精いっぱい。
でもね、そんな自分もOKなのです。
いいんですよ、そんな自分を許しても。そんな時は、他人と距離を置いてもいいし、自分の幸せに気付いて、心から自分が幸せになってからお祝いしてあげても遅くはありません。
良いも悪いも感情を味わいつくそう
誰だって本当は、他の人の幸せを心から祝福したい、喜びたいと思っています。だから、そうできない時の自分を責めてしまうのです。
その時は、あなたの中に「喜んであげたい」という気持ちがある、ということだけでも、自分の中にある優しさを発見したと思ってください。
嫉妬もねたみも、憎しみも、負の感情も、生きているからこそ起きる感情です。その感情を味わうために私たちは生まれてきた、と言ってもいいほど。あちらの世界ではその感情を味わえませんからね。
まずは、自分が幸せになればいい。結婚していない、恋人がいない、子供がいない、などの、ないないに目をとめるのではなく、今ある幸せを見つけて、自分は恵まれていて幸せなんだな、と思えるようになった時に、心から祝福できるようになります。
まずは、自分に優しく!そして、自分の決定を、心から許可してあげましょうね。