もっと感情的に生きてみる
「感情的に生きる」のは良くないことなのか?
本日の記事ですが、「感情的」と聞くと、一般的には何となく良い印象がないかもしれません。
大人だったら、自分の感情をコントロールして、周りの人々に合わせて、そして、平和的にやっていくのが社会で通用する生き方だと言われているかもしれません。
しかし、もっと自分の感情を知り、その感情と同じ行動と、感情に背かない生き方をしてみる、ということを勧めたいと思います。
かといって、瞬間湯沸かし器のように、怒りとともに行動することで愚かなことをして、取り返しのつかないことになってしまうとか、怒りの地雷を踏まれたから、危害を加えていい、という話ではありません。バランスよく捉えて頂ければと。
さて、頭の知能指数であるIQというのは聞いたことがあると思いますが、心の知能指数EQというのがあります。(Emotional Intelligencet)
EQとは、EQは仕事への取り組み姿勢や人間関係への関心の度合いなどを感情という視点から測定する指数であり、以前、EQの研修に参加した時に初めて、自分のEQ指数を計りました。
その時に、「本当に大切だな」と感じたのは、EQの場合、最初にすることは、そのときの自分の感情がどんなのかを知る、というものでした。
「自分の感情くらいわかるのでは?」とおっしゃりたい方もいるかと思いますが、ところがどっこい、いま、怒っているのか?悲しいのか?苦痛なのか?心がどうしたいと叫んでいるのか?自分の感情が分からない人が多いのです。
本当の感情がわからなくなる原因
コーチングセッションでも、自分がどうしたいのか?感情がどうなのかがわからず、その人の感情を掘り下げて、本当の感情を探ることをしますが、意外な所に着地する場合も結構あります。
自分の感情がわからないという人、なぜだと思いますか?それは記事の冒頭に書いた、自分の感情をコントロールして、周りに合わせて、平和的にやって、大人な対応をして・・・
なんてことをいつもやっているうちに、感情が無感覚になっている、つまり、自分の感情と違う行動をしているうちに、本当の感情がわからなくなってくるのです。
特に負の感情になんて、あまり向き合いたくないことでしょう。しかし、その負の感情と呼ばれているものこそが、あなたの真の生き方やあり方などを教える非常に大切なメッセージでもあります。
負の感情に向き合うと、自分に対して自己嫌悪になる人もいるかもしれませんが、それは向き合い方が間違っているだけ、負の感情の中の肯定的な意図を拾うのです。
負の感情をも肯定的に受け取る為にも、自分が感じた感情をちゃんとキャッチして、その感情と同じ行動をすることは大切です。
とはいえ、腹が立ったからといって、相手に怒りの感情をぶつければいいのか?ということではなく、怒らなくても、ちゃんと怒りの感情を相手に伝えることはできます。
負の感情は無視されることなく、あなたがちゃんと聞き入れ、その感情と同じ行動をしてくれるので、負の感情は、認められた感があり、一気に小さくなっていきます。
しかし、もし、いつもいつもその感情が無視されていたら、どうなるでしょうか?ちょっと例えで考えてみましょう。
自分の感情は子供のような存在
小さな子供は、お母さんに関心を持ってもらいたくて、暴れたり、泣いたり、無茶を言ったり、お母さんを困らせるかもしれません。
一見、わがままに見えるその行動ですが、ただのわがままなのではなく、「お母さんが好きだから」です。お母さんに自分を見てもらいたくて大暴れします。
しかし、お母さんは、いつもいつも子供のその行動を無視したり、「そういうわがままを言うんじゃありません!」などのように、スルーばかりしていたら、子供はどうなるでしょうか?
(自分が感情を出せば、お母さんは怒る、もしくは無視される。だったらいい子でいよう・・・)と、感情を出さない人に成長してしまう、もしくは、次第に非行の道に走ってしまったりするかもしれません。
自分の感情というのは子供のような存在です。小さなあなたが、あなたの心の中で暴れるのです。なぜ暴れるのか?それは自分の感情をあなたに知ってもらいたいから。
しかし、いつもいつも無視されているので、そのうち、その感情は出さない方がいいのだ、と判断し、そしてさらに悪いことに抑圧されていってしまう。
抑圧されるとどうなりますか?圧縮されたその負の感情は、蓄積されて行くうちに、いつか爆発したり、壊れたり、取り返しのつかないことになる可能性も・・・だから、感情と向き合うことが大切になるのです。
無理にその感情を周りの人々に発散しなくても、まず自分自身が、小さな子供のような自分が発しているメッセージを、受け取るだけで、小さなあなたは無視されなかったことを喜び、安心します。
受け取ったあとは、落ち着いているので、相手にも冷静にそれを伝えられたり、負の感情で相手に伝えることもないでしょう。
どんな感情で生きても、人生は一度きり
私たちは、もっともっと自分の感情と向き合うことで学びもたくさんあります。強すぎる感情は時に、何も見えなくなるフィルターのような役目をし、判断を誤らせてしまうことも。
そうならないためにも、いつも自分の感情を冷静に感じ取るトレーニングも必要です。そのトレーニングに最適なのは、ブログや著書でも何度もお伝えしてきた「書き出し」です。
なぜ書き出しがいいかと言いますと、書き出す、という行為は左脳に働き、書いているうちに感情が外れるからです。例えば、あなたが心底怒っていたとします、その時に
・なぜ怒っているのか?
・怒りの原因は?
・その背後にある肯定的な意図は?
・本当は自分はどうしてもらいたかったのか?
質問に答えながら書いているうちに、どんどん冷静になり、かつ客観的になっている自分に気付くことでしょう。
また、書き出すことは、3章でお伝えしたように、あなたの感情を無視することなく、受け入れるためにも非常に効果的です。
どんな感情で生きようと、人生は一度きりです。だからこそ本当の感情に蓋をせず、感じ取り、聞き入れ、共に生きていけるように、書き出しを取り入れてみてくださいね。