大人の黒い感情のたしなみ方
それってダメなのですか?
今日は誰にでもある「黒い感情」に関して。
嫌なことを言われたりされたり、振り回された時に、相手には言えないけれど心の中で、超絶ブラックなことが頭の中をよぎったり、もしくは一人のときに暴言吐きまくってみたり。
例えば、いつも嫌なことをいう友達が彼氏ができたときに「どうせ変な人だよ」と思う。はたまた、嫌味をいつも言ってくる友達が仕事で失敗した時に、口では「大変だったね」と言っていても心の中では「クスッ」って笑っていたり。
そんな私って嫌なヤツ・・・とがっかりされる方、結構いますね。
コーチングのセッションのときにもクライアントがそういう悩みを打ち明けて「こんな私ダメですよね?」と言われたことが何度もあります。
その時に、コーチとして掛ける言葉は、「ダメなのですか?」と質問返し。そうすると「え?ダメじゃないですか?」、私は「わかりません。どう思いますか?」もしくは「なぜダメだと思うのですか?」
大抵の場合、ダメだと思っている人は、普通は、みんなそんな黒い感情などないと思っているので、自分だけすごい心が腐っていて、落ち込みそうになる、とか言われる方もいらっしゃいます。
ですが、人は皆が皆、天使ではありません。天使に見せているような人ほど闇が濃いもの。天然な人は、天然とすぐにわかりますが、計算高い人は、自分の奥深い闇を一切見せずに、天使を気取るのです。
それよりも、「こんなブラックな自分がいたんだよねー」と、笑い飛ばせるほうがよっぽど健全ってものです。
ま、50歳を過ぎると、落ち込みもしませんけどね。そんな黒い自分にむしろ人間臭さを感じて見たり、自分のブラックぶりを友達に言って自虐で笑ったりしてます。
みんな黒い感情は持っている
話を戻しまして、人はそういう自分の黒い部分を言葉に出して言わないものですから、みんなきれいな心を持っている、と勘違いされると思います。しかし、逆です。
みんな黒い感情を持っているのです。もっと言えば、人間はそうした感情を味わうために生まれてきています。
もし、黒い部分を自分の中で展開させて、スッキリしたならば、誰にも当たり散らすでもない、一人でそれを完結させているならば逆に素晴らしいことです。
人は、誰かの毒吐きを聞くとスッキリする、という傾向があります。それは、表立って言えない自分に誰かによって代弁されたので癒やされるのです。
もうだいぶ前ですが、とても話題となったドラマ『半沢直樹』。半沢が反撃する姿に視聴者はスッキリする感覚があり、人気ドラマになりました。
それは、自分では日頃そういうことを面と向かって言えないからにほかなりません。当時の人気っぷりから見ても、多くの人は「相手に思う存分言いたい!」という欲求があるのです。
ですので、どうかお気になさらずに。一人でブラック吐きまくり、それで自己完結するならいいじゃないですか。
持ち過ぎも厳禁!さっさとエネルギーに変えて
そして、経験がある方もいらっしゃると思いますが、何か目標に向かっていく上で、その黒い感情を原動力として行動することがあります。
例えば「〇〇に負けたくない!」「なんであの人ばっかり、悔しい!」「復習してやる!」など、競争心、憎しみ、怒り、嫉妬、ねたみそねみ、などの感情だったりしますと、それは黒いエネルギーを体中蔓延させる事になりかねません。
じゃあ、動機は、愛や喜びを動機にしましょう!なんてキレイなことは言いませんし、前述した通り黒い感情が悪いのか?と言ったら、悪いわけじゃありません。
しかし、長い期間その黒い感情を存在させてしまうのは、体にも悪い影響を及ぼしますので、さっさと違うエネルギーに転換することをオススメいたします。
それらの感情は非常に強いので、トリガーになって、ガツガツと行動する、最初のスタートダッシュとしては勢いが出るでしょう。しかし、その目標や夢を達成する最後の最後まで、黒い感情の状態ですと、達成の喜びも、楽しさも、一瞬のものです。
「人に勝った!」「私のほうが上だ!」とか、そんなくだらないことで満足してしまう小さい人間になってしまいます。
もちろん、そこを経験しての自分なりのネクストステージというのがあるのかもしれませんが、感情の転換術を使うと、さらに力いっぱい頑張れるものです。
黒い感情がアリな真の意味
今日の記事を読んで、モヤモヤする人も、そうだそうだと思う人も、嫌な気持ちであれ、いい気持ちであれ拾うチャンスが今訪れているわけですから、成長の機会になるのかもしれません。
私は「ネガティブ、マイナス、負の感情、黒い感情もアリだよね」とは伝えていますが、その真の意味は、それを受け入れると早くそこを抜けることができる、ということ。
否定すればするほど増加しますが、「まだまだ未熟でそういうところがあるんだよね」と思えた時に、その黒い部分は居場所を与えられて小さくなります。
そして、自分を未熟だと思うことは、逆を言えば、向上心の現れでもあるので、もっと成長するためにできることをする、ということにエネルギーを向けられるのです。
私は偉そうなことはまったく言えず、日々自分と向き合い、学ばされてばかりです。受け入れて、向き合って、そして憎き相手に残った気持ちが感謝だったりすると、もうその怒りや悔しさは、昇華してなくなるんですよね。
自分では、暴言吐きまくっていたりしても、どこかで「相手のせいじゃない」というのも知っています。全部、自分が経験したかったことなのだと。
そういう風に早く心から思えるために、利用できるものは全部利用してさっさと昇華させて、相手に感謝の気持ちが持てたら、本当に心地がいいものです。
すると、黒いエネルギーがその都度掃除されていき、自分の生きていく原動力が愛であったり感謝であったり、そんな心地のいい状態になっていきます。
そうなると、もう本当に軽い!足取り軽く、楽しくなりますよ。