言葉遣いの美しさと心の美しさは比例するのか?

言葉遣いの美しさと心の美しさは比例するのか?

乱暴な言葉の奥にあるものは・・・

先日、出張の際にタクシーの運転手さんといろんな話題で盛り上がりました。

運転手さんの人柄があの狭い空間を通してあたたかく私の心に響いてきました。とても波長の合う人でした。ただ、運転手さんは口が悪くて、会話の流れの中で、よろしくない言葉も言っていました。

これだけ聞くと全体像がわからないので、下品な人なんじゃない?という印象を受ける方もおいでのことでしょう。

運転手さんはご実家が被災地とのことで、私が仙台から、と言ったら震災の話になりまして。震災で亡くなった方のポケットから財布を盗んだ人がいた、他人の家に入り込んで色々と持ち帰った人がいた、などの話になったのです。

残念なことに事実で、私も実家が被災地なのでそのような被害の話もたくさん聞きました。中には、本当に真面目(に見えただけ)な宗教をやっていた人が、そういう行いをして捕まったという事実などもありました。

それで、運転手さんの乱暴な言葉遣いの流れになったのです。とても正義感が強く、口は本当に悪いのですが、根が温かく、そして、人を思いやる気持ちで満ちている人でした。

口は悪くても、こういう方の気持ちに触れるとあたたかい気持ちになるものです。

言葉には本心が乗る

一方、言葉遣いが美しく丁寧で正しい日本語であっても、人の心を剣で突き刺すかのような、意地悪なことを言う人もいます。

人に感謝の言葉を丁寧に述べているようでも、言葉は綺麗だけど心の冷たさが伝わるようなね。

中々面と向かって、他の人にそういう風に言う人って滅多にいませんが、約10年前、セミナー受講者でたったお一人だけ、いらっしゃったことをよく覚えています。

美しくて才色兼備、学歴があり、見た目も美しい。その人が感謝の言葉を述べているようで、当セミナーの受講者をバカにするような発言をしました。

「私はここに来るような心の弱い受講者さんたちのようではないことに心から感謝いたします。私は恵まれているのだな、と改めて感じました。それに気付けたので、本当にセミナーに参加してよかったです」

と言葉で言いながら、アンケートでは最悪の評価でした(笑)

リアルな言葉も、こうした記事にアップする言葉にも周波数があります。どんなキレイな言葉だけを並べても、言葉にはその人の本心が乗り、そして私たちは無意識にそういうものをキャッチしているのです。

相手への気遣いが現れる「枕ことば」

言葉遣い、という点で余談なのですが、読者さんたちからいただくお問い合わせなどの言葉にいつも感心しております。それは要件を書く前の、枕ことばをつかっていらっしゃる、ということ。

不具合などの問い合わせでも苛立って「どうなってんですか!」と言う人が、まったくいない・・・とは言い切れませんが(笑)それでも多くの人々の対応は、大人の女性の品格あふれるメールの書き方です。

これを書くからと言って、そうしてくれ、と読者を操作しようとしているわけではなく、いつも書店さんからも、本の予約の電話などの時に、「ワタナベさんの読者さんはすごいマナーが良いですよ」と私がお褒めの言葉を頂戴するくらいです。

枕ことばとは、簡単に言うと、前置きの言葉です。例えば、セミナーの詳細が届いていない方からメッセージを頂いた時は、「お手数ですが、再送お願いできますでしょうか?」と。

「再送お願いします」ですむところを、相手を気遣う、「お手数をお掛けいたしますが」という優しい一言が入っています。他には

「サイトが開けないのですが、お忙しいところ申し訳ありませんが、お調べいただけますか?よろしくお願いいたします」

「サイトが開けないのですが、どうなってますか?」でも伝わりますが、枕ことばの「お忙しいところ申し訳ありませんが」そして、「お調べいただけますか?」と相手にお願いする姿勢だったりと、相手を思いやる気遣いの言葉が入っています。

本題を伝える前に、相手をねぎらう言葉や、思いやる言葉などを一言添えてみると、メールのみならず、普段の会話でも、立体的で品性ある言葉遣いになります。

目に見える物だけがすべてではないから

話が反れたので元に戻しますと、私たちは、目に見えるものだけ、聞こえてくる言葉だけを信じようとすると、その人の本質が見えなくなる時があります。

人を、姿形、持ち物、仕事、収入、などのようなものだけ、そして言葉遣いなど、リアルに聞こえることだけで判断しようとするのは本当に危険なことです。

もちろん、往々にして内側は外側に反映されますが、しかしながら、左脳で判断しないで、心の目で見てみるとよくわかります。

人は、自分と同じものや心地いいものに自然に引き寄せられていき、無意識レベルで、違うものから遠ざかり、不快に感じるものが何なのかがわかっています。

不快に感じるものから遠ざかることをせず、自分の心と逆のことをしていると、人生なかなかうまく生きづらいのです。

願いを引き寄せるのも、運気&金運を上げる方法も結局は、心地いい感情、というのがベースになっているのですから。

今日の記事から何を拾えるかは、それぞれの人がキャッチする部分です。どんなに伝えたい内容も、結局は読み手が取りたいように、拾いたいように拾うものですから、もし、何か拾ってもらえるものあれば幸いです。

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