「嫌い」と向き合って見えてくるもの
「嫌い」は悪影響だけなのか?
嫌いなこと、嫌いな人、嫌いな匂い、嫌いな色、嫌いな・・・
「嫌いな」というキーワードをこれだけ並べてみただけで、脳内では、嫌いな何かがイメージできて、気分が下がってしまう。それだけ「嫌い」というのは私たちに悪影響があることは事実でしょう。
NLPなど、キャリブレーションというトレーニングがあります。相手の表情を読むこと、表情筋の動き、目の動き、顔色、口元の動きなど、それはそれは色んなところを観察します。
相手が言葉に出さず、心の中で嫌いな人を思い出した時と、心の中で好きな人を思い出した時、どちらがどの状態かを当てるトレーニングをやってみましたが、これが結構分かるのです。
それほど、嫌いなことを思い出している時というのは、顔に出そうと思っていなくても、微妙な顔色と微妙な表情筋の動きが出ています。
それらは脳内にフィードバックされ、もしかして何か物質が放出されるかもしれませんし、過去の何かとリンクさせて、気分が悪くなったり、お腹が痛くなったり、など、体調や症状にも現れる時もあります。
お勧め!「嫌い」に向き合うワーク
では、それほど影響のある「嫌い」について、あなたはこれまで、真剣に自分の「嫌い」に向き合ったことありますか?「嫌い」は「怒り」と同じく、あなたご自身の中から、掘り起こされるものがたくさんあるのです。
「なぜ嫌いかだって?嫌いに理由なんてない!」とおっしゃるかもしれませんが、人は理由なくして嫌いになることはありません。しかし、向き合うのもおもしろいですよ。それもかなり!
嫌いの理由がわかると、自分の価値観や信念、さらにもしかしたら、自分が嫌いだったと思っていたことが実は好きだった・・・なんてことさえあります。いま少しだけワークをして書き出してみましょう。
・あなたの嫌いな人を書き出してみてください。
何人でもいいです。そのあとに「あなたはなぜその人が嫌いか?」その理由も書き出してみてください。
・あなたの嫌いなことは何ですか?
嫌いな行動、やりたくないこと、自分の信念に反してしまうこと、など。嫌いなことであれば何でもいいので、書き出してみてください。そのあとに「あなたはなぜそれが嫌いですか?」その理由も書き出してみてください。
さらに、2つのワークを見直して、その嫌いに共通するキーワードなどはありませんでしたか?
「嫌い」を掘り起こしてみた時に、あなたがやりたいと思っていたことをその人が周りの目を気にせずにやっているから、ということが掘り起こされたり、はたまた、その逆の特質があなたの価値観になっていたり・・・色々と出てくることでしょう。
私たちの感情は無限
皆さんは「投影」という言葉をご存じかと思います。「自分の中にあるから、相手がそう見える」なんて意味合いで捉えられていますが、そんな単純なものでもありません。
相手を通して見えるものは、それとは真逆の心理が働いていたり、自分の価値観じゃないことが相手を通して見えて嫌悪感になっているのかもしれません。はたまた、それがやりたいことだったり、ただの憧れだった、ということも分かったり。
投影とは、あなたの内側や潜在意識の奥底にある、何かが相手によってわかる、という意味です。相手から批判されたから、「憎まれているからか、妬んでるのね」などの簡単な図式でもありません。私たちの中には掘り起こしてみないことにはわからない感情や意識は無限にあるということなのです。
ただ、好きな人がなぜ好きなのか?というのは割と単純な理由だったりすることが多く、それは、相手の中にあるものが、あなたの中にある同じものが反応しているから。ネガティブなほうが多少複雑かもしれません。
私は、ネガティブな感情に向き合うワークは大切にしていて定期的に行っています。そして、私の信念など、いろいろと明確になりました。
例えば、子供の頃からの正義感があったということや、自分が正しいと思うことに固執していたこと、さらには、自分の大切にしている領域を侵されたとき怒りやすいこと。(家族や友、自分の大切にしている思いなども含む)
時には答えが出ないことも多々あるのですが、それは、直感からのメッセージだった、ということが後からわかることもあり、とてもお勧めのワークです。
「嫌い」から見つかる宝もある
世の中はどうしても「好き(良い、快など)」か「嫌い(悪い、不快など)」で判断しがちです。しかし以前のブログでもお伝えしましたが、物事は表裏一体です。
どんな部分にも「良い」部分があることを認めると、素直にその感情を味わい、そしてその後理性的になれることを体感できます。特に、「嫌い」の感情・・・そのままにせず、一度向き合ってみてください。
「嫌い」から分かることはたくさんあります。そして、あなたが成長していく過程の一つだと思います。そこから宝のような、自分の信念が見つかることがあるかもしれませんよ。