苦しみの乗り越え方
今、苦しみを感じているあなたへ
苦しみにフォーカスすればするほど、世界一自分が不幸な人間のように思えますし、感情を見つめれば見つめるほど、苦しさが募ります。
しかし、逆にその苦しみを感じ取ることもせず見ないふり、心の中から発する声を聞かないふり、感情に蓋をしてしまっても、それもまた苦しみを倍増させます。
無視された感情は、居場所が与えられなかったことで募り、些細なキッカケで爆発してしまったり、心に欠陥をもたらしてしまうこともあります。
心の欠陥は、大きければ大きいほど、修復にも多くの時間とエネルギーがかかるものです。そのようになる前にどう対処すればいいのでしょうか?
乗り越え方は、人それぞれ
人にはそれぞれ、特有の資質や傾向というものがあります。前提として
苦しみにもレベルがあり、その度合いも違うということ。そして、人はみな、同じ資質ではないということです。
とにかくがんばってがんばって、乗り越えた人。
落ちるだけ落ちて、自分を癒し、ゆるやかに乗り越えた人。
人と比べず、自分の悲しみを感じきって、受け止めて乗り越えた人。
人と比べて、あの人よりは自分の苦しみの方が「まだ軽い!ここでヘコタレてどうする!」と厳しく律して乗り越えた人。
どの乗り越え方も正解であり、人によっては一般的な乗り越え方が合わない人もいます。
筆者の経験としましては、苦しかった時、「もっと苦しい人がいるだろうに、これは困難のうちに入らない!まして、命が左右されるような問題じゃないよね?」
そう思った時に、非常に心が軽くなりました。
また、苦しみを乗り越えた先で、似たような試練に直面しても、過去の経験が活かされたり、同じような状況で苦しんでいる人に、自分の辛かった状況を話し、知恵を分かち与えることができるかもしれません。
つまり、乗り越え方は、人それぞれということなのです。
しかし、どんな乗り越え方であっても共通して、踏まなければならないステップがあります。
感情を感じ切る
共通して、踏まなければならないステップ。それはその時の感情を知り、見つめて、認めることです。
このステップを無視して、がんばってしまったり、元気に振舞ったりしていますと、本当の感情はどんどん抑制され、消化するどころか、沸々と募り続けます。
そして前述した通り、些細なキッカケで爆発し、取り返しのつかない事態になってしまう。
苦しい時、さらに自分の感情と向き合うというのは、本当に大変なことです。ですが、まずはしっかり、自分の感情を感じ切ること。
そのあとに、がんばるなり、ゆるやかに乗り越えるなり、あえて人と比べて叱咤激励しながら進んだり、誰かに癒してもらったり、誰かの力を借りたり。
自分にとって、一番いい方法を見つければいいのです。
弱さは、強さ
自分の感情を感じ切る過程の中で、気を付けなければならないことがあります。それは、「だからダメなんだ!」と、自分の弱さを否定しないことです。
例えば、他人が落ち込んでいる時に、あなたはどんな言葉をかけるでしょうか?
「大丈夫だよ」
「今、苦しいよね」
「そんな時も、あるよね」
その優しさを、言葉を、苦しんでいる自分にもかけてあげてください。
自分が辛く弱い時、まずは自分を一番慰め、自分に一番優しくすることが最優先。
実は自分に厳しい人は、往々にして他人にも厳しくしてしまいます。
自分の弱さが分かると、他人がよろけそうになっても、その人をジャッジせず、その出来事が、当人の学びであるということを理解できます。
自分が苦しい時、弱っている時ほど、自分の強さを知ることができるのです。
まずは顔を上げてみよう
「それでも苦しい、向き合う気持ちになれない」
そんな時、まずは顔を上げてみましょう。
苦しい時は、特に夜に悩まないで、朝になったら上を見て、息を深く吸って、いっぱい太陽の光を浴びてみましょう。
一時的な方法ではありますが、心と体は繋がっています。
まずは顔を上げる
そしたら、次は前を向く
慣れてきたら、上を見る
そしてもっと慣れたら、再び前を見て
一歩一歩、前に進んでゆく
乗り越えるキッカケは、心からでも体からでも、どちらでもかまいません。
答えは一つじゃなく、乗り越える手段は、人の数だけある。
どんな自分も受け入れながらも、少しずつ少しずつ、次のステップに進んでいけたらいいですね。