未来思考の作り方~コーチングとカウンセリングの違い~
過去?未来?どっちが大切?
苦しかったことや、つらかったことに蓋をして見ないふり、もしくは放置してしまっても、その昇華できていない思いはいつか爆発してしまいます。かと言って、見つめ過ぎてしまうのも危険です。見つめ過ぎて、そこから抜け出せなくなり、もっと辛くなる可能性もあります。
心理カウンセリングとコーチングの違いを一つ挙げるとしたら、クライアントの苦しいことを解放するアプローチを、過去に視点を向けるのか?未来に視点を向けるのか?の違いです。
もちろん、どちらの手法もあります。クライアントの傾向や資質がありますから、一概に、これが答え!というのはありません。
コーチングは「未来がどうありたいか?」
私の場合は、心を扱うNLP手法と行動につなげるコーチング手法の二つを使います。そこで大切な点は、過去にフォーカスし過ぎないことです.過去には軽くは触れますが、あとは、未来がどうありたいか?というその人の理想の自分と未来に視点を向けます。
過去に視点を向けた時、その人は過去の経験をたくさん話したいことでしょう。話せば話すほど、ドロドロと沼に入っていく人もいますし、話して「スッキリしました」の傾向の人もいます。
でも、「話してスッキリしました」は、その場限りの、一時的な気持ちの良さで、実は何の解決にもならないことが多く、そして、また同じ話をしたがります。クライアントが依存関係になりやすいのです。
ですから、全員同じ手法ではありませんが、往々にして、過去を聞いても、コーチはそこに感情移入をあまりしません。コーチングは、カウンセリングやコミュニケーション術の基本と言われている、共感と感情移入をしません。なぜなら、負の感情のバイブレーションが共鳴し合い、「辛かった、苦しかった・・・」が増大していくからです。
コミュニケーションでは、共感とか感情移入が大切とされてはいますが、それをコーチがしてしまうとただの友達同士の悩み相談室になってしまいます。だからこそ、ニュートラルに課題を扱います。
全ては意味付け次第
そして、大切なことは過去がどんなに辛かったとしても、その辛かった出来事を俯瞰して、そこからの教訓は何だったのか?です。どんなに悲惨だったことでも、全て教訓なのです。
心理学では、「今の現実は、すべて自分が作り出した世界であり、これからの世界も、全部自分で作っていくことができるものでもあり、すべて意味づけと、どういう生き方をするか?」この前提で、自由自在の人生を作り出していくことができます。複雑にすることはありません。
ただ一つ、注意点は、自分の中で起きる苦しさや憎しみ、嫉妬、悲しみ、といった感情を綺麗な言葉で塗り替えないことです。そして、心の奥底に押し込めて、見なかったことにして蓋をして知らないふりをしないこと。かと言って、前述しました通り、見つめすぎてもいけません。
自分の中にある負の感情を無理に排除する必要はありません。イメージは、排除ではなくて、融合です。融合も何も、もともと表裏一体、二つで一つ。一方だけでなく、双方ある、と認めることです。
ご自身で負の感情に向き合うときは、「その時の教訓は何?」だけでOKです。意味づけを変えるだけで、辛かった経験は糧に変わります
もし、あなたのまわりで、負の感情の認知を変えられる専門の人がいたら、その人に依頼しましょう。ヘタに掘り起こしますと、パニック発作が出たり、心理的な問題を抱えたりという危険性もあるので、経験・知識のある人に頼んだほうが賢明です。
未来はあなたが理想としたところに
そしてその後、必ずやって欲しいことは、「では、これに関しての理想の状態は何?」です。心理カウンセリングではほとんどの場合、そこまでは扱いませんが、この理想の状態はつまり、そのことに対するゴールとなります。
ゴールさえ決めれば、脳も潜在意識も、そこに向かいたくなります。もう過去に戻って落ち込むことは無意味だと気付きます。どんなに今が辛くても、どんなに過去がひどい状態だったとしても、未来はあなたが「こうなる!」と理想としたところに向かって行くのです。
最後に、若かりし頃つらい経験が多かった人は、これからの後半、素晴らしいことがたくさんありますよ。表裏一体。いいこともわるいことも半分半分ですから。